上咽頭炎には他の炎症疾患と同様に急性と慢性の2種類あります。
急性上咽頭炎はウイルスや細菌などが上咽頭で繁殖し、咽頭痛(特に寝起きに強く生じる)・咳・鼻水といった症状が生じます。いわゆる「風邪」と言われるものです。「つばを飲み込むとき、のどが痛い」「のどの奥が詰まった感じがする」といった症状の現場は中咽頭(口を開けて奥を見たときの部位)や下咽頭(喉頭や食道の入り口の辺り)のレベルではなく、上咽頭炎(鼻の突き当りの炎症)が多いのです。上咽頭は刺激を伝える神経線維が豊富な箇所で、鼻の突き当りの上咽頭をのどと勘違いすると考えられています。
また急性上咽頭炎が進みますと 肩や首の筋肉が緊張して肩こり、首こりが生じます。急にひどい肩こりを感じたら、風邪の引き初めだったといった経験をされた方も多いと思います。
慢性上咽頭炎はウイルスや細菌の持続的な感染、たばこ、寒冷、ストレス等によって炎症が慢性化した状態です。慢性上咽頭炎の患者さんでは上咽頭で細い 静脈のうっ血や毛細リンパ管の拡張が生じていて、粘膜に溜まった血漿が表面にしみ出てそれらが分泌物になって不快な後鼻漏が見られます。
放置すると咳喘息や声枯れの原因になります。頻回風邪をひく方は「他人から風邪はもらうが、自分の風邪は他人にうつらない」という特徴があります。このような方は無症状の慢性上咽頭炎が続いていて、冷え・ストレス・過労などで上咽頭炎が悪化した時に起こるものと考えられます。
また慢性上咽頭炎の放置で自律神経の乱れが生じ強度の疲労が長期間持続する「慢性疲労症候群」の原因にもなると言われています。
診断は上咽頭を丹念にファイバースコープで観察し、敷石顆粒状変化等の典型的所見があれば比較的容易につきます。典型例でない場合はファイバースコ ープ検査を帯域制限光モードにして観察すれば、炎症により細静脈の不鮮明や黒斑所見は捉えられることがあります。
治療は急性上咽頭炎の場合はその所見に見合った内服薬を処方しますが、急性・慢性共に上咽頭への塩化亜鉛を沈み込ませた綿棒処置が主体になります。当院では開業して30年以上になりますが開業当初から普通に行っている処置です。炎症が強い場合、処置で出血したり痛みが出ることがありますが、効果がすぐに出ることも多く、患者様に喜んでいただいております。
西神中央停留所下車 徒歩1分
駐車台数 50台
※受付にて駐車券を配布しております。
医院名 | 医療法人社団 マスイ耳鼻咽喉科 |
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院長 | 増井 裕嗣 |
住所 | 〒651-2273 兵庫県神戸市西区糀台5-10-2 西神センタービル2階 |
電話番号 | 078-991-6880 |