味覚障害は亜鉛不足? とは限らない。 |
高齢者の増加とともに味覚障害の患者は増えています。
しかし、検査が煩雑で時間がかかるため味覚障害を診療する耳鼻咽喉科医は多くないのが実情です。さて味覚障害とー言で言いましても様々な症状を含んでいます。味覚低下や味覚脱失といった量的味覚障害がー般的です。
ー方で何も食べていないのに味がする自発的異常味覚、本来の味とは異なった味を訴える異味症、何を食べてもおいしくないと訴える悪味症、ある味質例えば甘味だけが判らない解離性味覚障害などの質的味覚障害もあります。その他の合併症として舌痛、口腔乾燥、口腔異常感、風味障害(味覚異常を訴えるが、実際は嗅覚障害)などがあります。このように症状別の分類ができますが、ー方で味覚伝導路に着目して分類することもできます。
口から入った食べ物が舌や口蓋にある味覚センサーである味蕾に到達しないことで生じるものは主に唾液低下がよるものが多く加齢、薬物、シェーグレン症候群、口腔衛生不良などが関係してきます。
味覚障害の原因で最も多いのが味覚の末梢センサーである味蕾の機能障害です。
微量元素の亜鉛、鉄欠乏やビタミンB12欠乏、薬物の副作用、手術後、口腔への放射線照射後、感冒、全身疾患のー部分症状、加齢などで原因が多岐にわたります。実際味覚外来を開設している全国の施設のアンケート結果で、3割の患者が亜鉛内服療法しても効果がないとの回答をされています。
その理由として、1.投与した亜鉛量と投与期間が不十分。2、味細胞に不可逆的変化が生じている。3,味覚障害の原因が亜鉛欠乏でない。4,認知機能の低下や、心的ストレス、パーキンソン病などの変性疾患によって生じる味覚中枢の障害などが考えられます。巷間よく言われています「味覚障害イコール亜鉛不足だから、亜鉛の補充で味覚障害は改善する。」とは言えないことを理解していただき、味覚に関する異常でお困りの場合は血中亜鉛値の測定だけでなく、味覚検査のできる耳鼻咽喉科専門医の受診をお勧めいたします。
西神中央停留所下車 徒歩1分
駐車台数 50台
※受付にて駐車券を配布しております。
医院名 | 医療法人社団 マスイ耳鼻咽喉科 |
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院長 | 増井 裕嗣 |
住所 | 〒651-2273 兵庫県神戸市西区糀台5-10-2 西神センタービル2階 |
電話番号 | 078-991-6880 |